※本記事は、2012年10月16日時点のものです。
ソフトバンクの孫社長が、アメリカの携帯電話事業で第3位の
スプリント・ネクステルを買収すると正式に発表しました。
スプリント・ネクステル社の発行株式の70%を取得、子会社化し、
買収資金は201億ドル(約1兆5,700億円)に上ります。
このスプリント・ネクステル社の買収が成功すれば
ソフトバンク本体、先日、買収を発表したイーアクセス、
そしてスプリント・ネクステルを合わせた加入者数は、単純合計で
日本のNTTドコモを追い抜くことになります。
スプリント・ネクステルもiPhoneを扱っており、
ソフトバンクのアップルないし他の端末メーカーへの影響力が大きくなる
1:スプリント・ネクステルは多額の負債を抱えており
さらに直近の5期連続赤字であるため
ソフトバンクの負担はかなり大きい。
2:ソフトバンクは、そんなスプリント・ネクステル社に
約1兆5700万円と多額の買収資金を出すこと
3:ソフトバンクとスプリント・ネクステルでは
扱っている周波数帯域直近が異なっており、
すぐにスケールメリットを活かせるところは限定的。
少なくとも直近では、メリット、デメリットを比べると
デメリット、ないし懸念材料の方が大きいと考えられます。
ただ、孫社長はそんなことは考えた上での買収でしょう。
円高、低金利など日本企業が買収するには有利な状況であることや、
スプリント・ネクステルが経営が順調ではないからこそできる、とも思えます。
国内ではauもiPhoneを取り扱うようになり、
国内の勢いが落ち着くかと思われたところでの、この買収案件。
目立った話題がなくなって、落ち着いていくかな、と思われていたであろうこの時期に
こういった、リスクは含むが大きな話題、と言う意味では
そもそも、騒がれること自体も、ソフトバンク社にとってはメリットなのかもしれません。
ともあれ日本企業がアメリカの同業大手を買収するなんて
なかなか考えられなかったことだと思います。
これからソフトバンクがどのようになっていくのか、注目です!